血管内焼灼術(レーザー・高周波治療)

血管内焼灼術とは

血管内焼灼術とは、下肢静脈瘤の原因になっている伏在静脈に、レーザーや高周波を当てることで血管を熱で焼灼し閉塞させる治療です。日本では、レーザー治療が2011年1月に、高周波治療が2014年6月に保険で使用できるようになっております。レーザーはレーザー光線のレーザーであり、高周波は、電子レンジでも利用されています。レーザー(波長1470nm)治療も高周波治療も、方法と治療成績は変わらず、どちらも良い治療法です。当クリニックでは、高周波(ラジオ波)治療に対応しております。お気軽にご相談ください。

光ファイバーを通して、レーザー照射部から血管壁へレーザーが全周性に照射され、血管壁を焼灼します。レーザーの場合、照射部位の範囲が狭いため、カテーテルを引き抜きながら焼灼を行います。

高周波により7㎝のコイルに熱が発生し、カテーテルを血管壁に密着させることで血管壁を焼灼します。焼灼は20秒ずつ行い、位置をずらしながら数回行います。

当院の血管内焼灼術(高周波治療)

高周波治療もレーザー治療同様に血管内焼灼術に分類されます。治療方法はカテーテル挿入部位に局所麻酔を行い、血管内に細いカテーテルを挿入します。熱を加える前にカテーテルが挿入されている伏在静脈の周囲にTLA麻酔という生理食塩水と鎮痛剤、血管収縮薬(出血予防のため)などから成る薬剤を注入していきます。これにより熱を加えた時の痛みと周囲組織の熱傷を予防します。最後に、高周波の熱を使って、静脈を焼灼し閉塞させます。カテーテルの先端を120℃まで加熱します。高周波を用いると短い治療時間で、レーザー治療と同様の効果を期待することができます。

メリット

  • 局所麻酔のみで手術を行えるため、身体への負担を最小限に行うことが可能です
  • グルー血管内塞栓術のように接着剤を使用せず、体内に残る異物がないため、アレルギーや炎症、難治性の細菌感染のリスクは非常に少ないとされています。

デメリット

  • 治療後1ヶ月間は弾性ストッキングを着用する必要があります
  • 頻度は少ないですが、手術後の静脈血栓症(エコノミークラス症候群)のリスクがあります

一般的な高周波血管内焼灼術の方法

血管内焼灼術は、逆流している大伏在静脈を焼灼する治療です。大伏在静脈の一般的な治療の例を説明します。

局所麻酔を膝下と太ももの内側の皮フに4-5カ所ほど、非常に細い注射針(ワクチン接種のときと同様)を使用して行います。

膝下内側の局所麻酔部位から、焼灼カテーテルを大伏在静脈に挿入し、深部静脈の合流付近まで挿入します。挿入したカテーテルと高周波を発するジェネレーターを接続します。

焼灼カテーテルを挿入した血管の周囲に、TLA麻酔という、濃度の薄い局所麻酔液を大量に注入していきます。

TLA麻酔液を注入後は、患者様に痛みを確認しながら、焼灼していきます。1回の焼灼は20秒程度です。焼灼は、通常、足の付け根から膝下まで行います。

大伏在静脈の焼灼された部位には、血液は流れなくなり(逆流はなくなり)、足の血液は深部静脈を通って、心臓に流れて行きます。

傷口に絆創膏(ばんそうこう)を貼り、ガーゼで圧迫し、足全体に包帯を巻いていきます。

包帯で巻いた上から、弾性ストッキングを装着します。手術時の弾性ストッキングの着用は、すべてスタッフが行いますので、ご安心ください。

血管内焼灼術の費用

  1割負担 2割負担 3割負担
高周波血管内焼灼術
(片足の場合)
約15,000円 約18,000円
※上限額適用の場合
約43,000円
※上記あくまで標準的な治療を行った場合の自己負担額です。
※短期滞在手術等基本料が含まれています。

手術の流れ

1初診時

診察、超音波検査

2検査結果・病状・治療法・治療のリスクなど説明

3血液検査、弾性ストッキングの着用指導

4手術前日

とくに制限はありません

5手術当日

  • 20分前に来院
  • 手術(片足の場合30分程度)
  • リカバリー室で15分程度安静
  • 帰宅

6翌日あるいは翌々日

診察+超音波検査

7以後は1週間、1ヶ月、3ヶ月後に診察

※手術内容や経過により変わります

当院では、「カテーテル治療」および「心臓・血管」の専門医による下肢静脈瘤の日帰り治療を提供しております。足の血管でお悩みの方は、東京都台東区「浅草橋駅」徒歩1分の「あさくさ橋心臓と血管のクリニック」までご相談ください。

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当院の下肢静脈瘤が
選ばれる理由

下肢静脈瘤の専門医師による日帰り手術

Point

01

下肢静脈瘤の
専門医師による日帰り手術

当クリニック院長は、学会でも末梢血管のライブデモンストレーションを行うなど、下肢静脈瘤治療の基本となるカテーテル治療を得意としておりますので、ご安心してお受けください。

痛みが少ない治療

Point

02

痛みが少ない治療

下肢静脈瘤治療では、局所麻酔を効かせた状態で行いますので、術中に痛みを感じることはありません。麻酔を打つ際にチクッとした痛みを感じる程度です。

土日も診察・治療実施

Point

03

土日も診療・治療実施

当クリニックでは、土日も診察・治療を実施しております。忙しくて平日の受診が難しい方も仕事などへの影響を最低限に抑えて通院いただくことができます。

治療は保険適用

Point

04

治療は保険適用

下肢静脈瘤の治療では、すべて保険が適用されます。さらに高額療養費制度や限度額認定証を提示することによって費用負担をさらに抑えることも可能です。

症状に合わせて複数の術式から治療法を選択

Point

05

症状に合わせて
複数の術式から治療法を選択

一言に下肢静脈瘤といっても、下肢静脈瘤には複数の種類があり、下肢静脈瘤の種類に応じて治療法が異なります。当院ではあらゆる治療に対応し、種類に応じて適した治療法のご提案が可能です。

【記事監修】
あさくさ橋心臓と血管のクリニック
院長 高橋 保裕

院長 高橋 保裕下肢静脈瘤血管内焼灼術実施医・指導医https://www.jevlt.org/ja/

開院前に勤務していた大学病院や地域中核病院では、1万件近い心臓や末梢血管のカテーテル治療に携わり、様々な症例に対して豊富な治療経験を持ちます。
近年では「ライブデモンストレーションのライブオペレーター」として各学会に招待され、カテーテル治療を学ぶ多くの医師の前で治療を行うなど、技術指導者としても活動しています。
「患者様を自分のたいせつな家族と思って診療する」をモットーに、下肢静脈瘤日帰り手術(カテーテル治療)や一般循環器診療を行っております。

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