下肢静脈瘤の治療・手術費用はどれくらい?

下肢静脈瘤の治療・手術費用はどれくらい?

下肢静脈瘤の治療を検討しているけれど、治療費はどれくらいかかるんだろう?こんな疑問をお持ちの方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
治療や手術の内容、その治療を行う医療機関によっても異なる費用体系があり、それには保険の適用範囲も関係します。当記事では、下肢静脈瘤の治療・手術費用から使える制度や仕組みについて解説します。

下肢静脈瘤とは?

下肢静脈瘤

下肢静脈瘤は、足の血管の疾患のことです。
血液が全身に巡り、心臓に戻る血管は静脈と呼ばれ、下肢静脈瘤は足の静脈が拡張し、瘤状に浮き出る状態を指します。

この現象は、心臓から遠い位置にあることや、人が立ちながら生活していることに関連しています。
足の静脈の血液が心臓に戻るには、上昇しなければならないため、静脈瘤が発生しやすくなります。
歩行中、ふくらはぎの筋肉が収縮し、これが静脈内の血液を押し上げ、途中の静脈弁が逆流を防ぎます。

筋肉ポンプの働きが低下したり、弁の機能が損なわれると、静脈内に血液がたまり、静脈圧が高まります。
静脈の壁があまり強くないため、これによって静脈が伸びたり、曲がったり、膨れたりして静脈瘤が形成されるのです。
下肢には表在静脈(皮膚の下にある)と深部静脈(筋肉の間にある)がありますが、表在静脈は周囲の組織のサポートが弱いため、下肢静脈瘤が発生しやすくなります。

下肢静脈瘤の治療・手術費用

下肢静脈瘤費用

下肢静脈瘤の治療には、手術を伴うものとそうでないものの2種類に大きく分けることができます。
また、保険のご負担割合によって費用が一人ひとり異なります。

治療・手術以外にかかる費用

まず、下肢静脈瘤の治療を行う前にかかる費用について説明します。

 
一般的な費用の目安
診断の流れ 具体的な内容 1割負担の方 2割負担の方 3割負担の方
初診 初診料+超音波検査 890円程度 1,780円程度 2,660円程度

再診(術後の検診)

再診療+超音波検査 670円程度 1,340円程度 2,020円程度

手術が適応になる方、個人の状態によっては、検査量が異なる場合がございます。
詳しくは、当クリニックまでお問合せください。

1.初診料+超音波検査
一般的な診察同様に初診料がかかります。下肢静脈瘤の検査として、超音波検査も必要となります。超音波検査によっては、保険適応の基準を満たさない場合があり、その際は自費診療での治療をご提案する場合がございます。

2.再診療+超音波検査
治療後や手術後には経過観察のための再診療と超音波検査が必要となります。

治療・手術にかかる費用

下肢静脈瘤の治療・手術にかかる費用の目安について説明します。

下肢静脈瘤の治療・手術にかかる費用の目安

    1割負担の方 2割負担の方 3割負担の方
治療 医療用弾性ストッキング※ 6,600円程度
硬化療法(片足の場合) 約5,000円 約10,000円 約14,000円
レーザー治療(高周波血管内焼灼術)
(片足の場合)
約15,000円 約18,000円
※上限額適用の場合
約43,000円
グルー血管内血塞栓術 約18,000円
※上限額適用の場合
約18,000円
※上限額適用の場合
約53,000円
手術 ストリッピング治療 約10,000円 約21,000円 約31,000円
料金は大体の目安になります。またサイズや種類により価格は変動いたします。

1.医療用弾性ストッキング
下肢静脈瘤によって生じる足のむくみやだるさ、湿疹などの症状を和らげるために、医療用弾性ストッキングを着用する場合があります。
こちらは、ご使用により圧迫圧が徐々に落ちるため、買い替えが必要となります。

市販品と医療用品とありますが、市販のものは、医療用弾性ストッキングと比べて約半分の圧迫力に調整されています。下肢静脈瘤が進行すると、より強い圧迫力の弾性ストッキングが使用されるため、症状に合わせて、医師と相談しましょう。

2.硬化療法
静脈瘤の内部に硬化剤と呼ばれるポリドカスクレロールという薬剤を注入して閉塞させる治療法です。硬化剤が入った静脈瘤は内膜に炎症を引き起こし、表面からの圧力によって閉塞されます。
閉塞した静脈瘤は徐々に吸収され、数ヶ月でなくなります。

ただ、血栓形成によるしこりや、静脈炎、色素沈着などの合併症や、血栓性静脈炎や色素沈着が生じるリスクがごく稀にあります。
さらに、微細な静脈瘤は治療後も再発する場合があるため、継続的な治療が必要となる場合があります。

3.レーザー治療
患部の静脈に細い管(カテーテル)を挿入し、内部から熱を加えて焼却して塞ぐ治療法です。
焼かれた静脈は硬く縮んで、治療後約半年で吸収・消失します。
局所麻酔で細い管を挿入するだけなので、通常のストリッピング手術と異なり、入院が不要で日帰り
で治療が行え、身体への負担が少ない低侵襲治療です。
医師の判断による

4.グルー血管内血塞栓術
2019年12月に保険が適用された新しい治療法で、下肢静脈に特化した医療用接着剤(グルー)を使い、カテーテルを介して血管内に注入して血管を閉塞します。
これにより、熱を使用しないグルー治療は血管内焼灼術よりも低侵襲であり、周辺組織への影響や痛みが少ない特長があります。

また、血管内焼灼術で必要だった局所麻酔が不要となり、針を刺す回数や麻酔浸潤時の痛み、術後の圧迫の必要性が減少します。
ただし、グルーを使用するため、アレルギーなどの問題がある方は治療が難しい場合があります。

5.ストリッピング治療
下肢静脈瘤を根治手術で、静脈の弁が不全となっている部分を取り除く方法です。
この手術では、足の付け根や膝などの皮膚を2~3cmほど切開し、表在静脈(伏在静脈)の中に手術用のワイヤーを挿入して、不全となった静脈を引き抜きます。
再発率が低い治療法であり、全身麻酔、下半身麻酔、または局所麻酔で行われることがあり、場合によっては入院が必要です。

6.高位結紮術
根治性に乏しく再発のリスクが高いため、近年では、あまり行われていない傾向があります。
鼠径部(そけいぶ)を数センチ切開して、静脈の逆流を引き起こしている箇所を糸で結んで切り離す手術です。
脚の付け根で逆流を遮断すると、それ以降の静脈での逆流がなくなり、次第にその部分は細くなります。
手術は局所麻酔でおおよそ15分で終了し、外来で日帰り手術として行われます。

患者様の状態によって、治療内容・費用ともに異なる場合があります。

費用負担を抑える方法

医療保険

下肢静脈瘤の治療は、診察から手術まで基本的に保険適用となっています。また、高額療養費制度や限度額適用認定証、ご加入の生命保険の「手術給付金」などの制度を利用すると、治療費を抑えられるかもしれません。

高額療養費制度

高額療養費制度は、日本の国民健康保険制度で、医療費の自己負担が一定の限度を超えた場合に、超過分を国が助成する仕組みです。以下に、高額療養費制度の主なポイントを説明します。

・負担限度額の仕組み
国民が医療費の自己負担に負担限度額を超えるほどの支出をした場合、その超過額については国が助成します。
負担限度額は所得により異なり、所得が高いほど高額となります。

・医療機関での支払い
医療機関での診療や薬の購入時に自己負担分を支払います。その支払いが一定の限度を超えた場合、残額が高額療養費制度の対象となります。
医療機関から返還されるのではなく、ご加入の健康保険から振り込まれます。

・助成対象外の費用
高額療養費制度の対象外となる医療費もあります。
例えば、「入院時の食費」や「居住費」などの生活費、患者が希望して利用する「差額ベッド代」や「先進医療に関わる費用」、美容整形、予防接種など健康保険が適用されない医療行為などは制度の対象外となります。

・慢性疾患の場合
高額療養費制度では、特定疾患(慢性疾患)の治療にかかる費用の自己負担限度額が特に引き下げられています。
これにより、慢性的な治療が必要な患者にとっても負担を和らげることが期待されます。

・累積計算
年度内での自己負担が一定の限度を超えなくても、同一の特定疾患に係る支払いが一定期間で一定額を超えた場合にも、その超過分が助成される場合があります。

高額療養費制度をご利用時の注意点として、支給を受ける権利には時効があります。「診療を受けた月の翌月の初日から2年間」となるため、申請が遅れないように気をつけましょう。
逆にいうと、2年以内に含まれる高額療養費については、過去の期間にさかのぼって支給申請が可能ですので、まだ申請していないものについては申請が可能です。高額療養費制度のご利用をご検討の方は、厚生労働省のホームページの「
高額療養費制度を利用される皆さまへ」より詳細をご確認ください。

限度額適用認定証

支払いが窓口で高額になる際、自己負担を所得に基づいた上限に調整するために、医療機関に提出される書類です。

これまでは、医療機関や薬局での支払いを自己負担限度額までに抑えるためには、あらかじめ「限度額適用認定証」を取得する必要がありました。
しかし、これからは「限度額適用認定証」がなくても、限度額を超える支払いが免除されます。

生命保険

近年、各保険会社では、下肢静脈瘤の治療が「手術給付金」の支給対象に含まれるケースが増えています。
民間の医療保険や生命保険に加入されている方は、手術を受けた場合に手術給付金が支給される可能性があります。

ただし、給付倍率は手術によって異なるため、ご加入の保険に関しては各保険会社の担当者にお問い合わせください。

 

お支払い方法について

お支払い方法は、現金、クレジットカード、交通系ICカード、キャッシュレス決済など幅広く対応しています。
ご利用しやすい方法にて決済が可能です。

 まとめ

下肢静脈瘤の治療費用にはさまざまあり、治療方法や保険の適用や医療機関の選択によって費用も大きく異なる場合があります。
治療の費用を負担に感じて治療をなかなか始められないということがないように、事前に国の制度や生命保険について把握しておくといざというときの助けになります。
治療をご検討の方は、今一度ご加入の保険についても見直しをしてみましょう。

下肢静脈瘤についてお困りの際は、当クリニックまでお問合せください。
お電話(
03-6240-9286)WEB予約LINE相談など幅広く対応しておりますので、お問合せしやすい方法でお気軽にご相談ください。

【記事監修】
あさくさ橋心臓と血管のクリニック 
院長 高橋 保裕

院長 高橋 保裕下肢静脈瘤血管内焼灼術実施医・指導医https://www.jevlt.org/ja/

開院前に勤務していた大学病院や地域中核病院では、1万件近い心臓や末梢血管のカテーテル治療に携わり、様々な症例に対して豊富な治療経験を持ちます。
近年では「ライブデモンストレーションのライブオペレーター」として各学会に招待され、カテーテル治療を学ぶ多くの医師の前で治療を行うなど、技術指導者としても活動しています。
「患者様を自分のたいせつな家族と思って診療する」をモットーに、下肢静脈瘤日帰り手術(カテーテル治療)や一般循環器診療を行っております。

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